いが、独り「民法」だけは始めから一度も変ったことがなく、また他の名称が案出されたこともなかったのである。
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五二 国際法
国際法の名称は西洋でも多くの沿革があって、始めは万民法(jus gentium)と混ぜられ、または自然法(jus naturale)の一部として論ぜられ、グローチゥスの「平戦法規論」が出た後ちまでもこの種類の法規に対する独立の名称はなかったのであるが、一六五○年にオクスフォールド大学教授のザウチ(Zouch)博士が jus inter gentes(国民間法)なる名称を附してから特別の名称が出来、仏国においても一七五七年にダゲッソー(D'Aguesseau)が Droit entre les nations または Droit entre les gens(国民間法)なる名称を用い、一七八九年にベンサムが International law なる新語を鋳造し、その後ち一般にこの語またはその訳語が行われるようになったのである。ドイツでは Internationales Recht なる訳語を用うることもあるが、通常は Voelkerrecht
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