に縦棒あり]帰佐倉一、示二諸同僚及属官一、可二以重珍一也、予拝伏捧持而退、既而帰二佐倉一、如二
君命一遂以二冊子一置二之官庁一、別手二[#返り点の「二」の右横に縦棒あり]写一通一置二坐右一、実我
公重二民事一之盛意、而可レ謂二臣僚不レ啻、封内民人大幸福一也、因記《よって》二其事於冊尾一云。
[#ここで字下げ終わり]
[#改ページ]

 四七 大木司法卿の造語造字案


 法は国民意識の表現であるという位であるから、一国の法を他国に継受することは、決して容易の事ではなく、多くの心労と、多くの歳月とをもって漸《ようや》くその民情に適し、その時要《じよう》に応ずるだけを継受することが出来るものである。しかるに、我明治維新当時の大政治家連中は、過去には回天の事業を仕遂げた経験があり、現在にはかつて夢想だもせざりし泰西の文化を観《み》、将来には条約改正の必要があったので、一挙して能く彼の文物制度を我邦に移植することが出来るものと信じていたようである。かの江藤司法卿がフランス民法を翻訳して我民法としようとした如きは、就中《なかんずく》最も大胆なものであるが、その後ち大木司法卿もまた泰西の法律を我国
前へ 次へ
全298ページ中124ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
穂積 陳重 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング