画室の言葉
藤島武二
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)滾々《こんこん》たる
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「さんずい+得のへん」、第4水準2−78−68]
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私は今年の文展出品作「耕到天」に、次のような解説をつけて置いた。
[#ここから3字下げ]
耕到天是勤勉哉
耕到空是貧哉
[#ここから2字下げ]
右はかつて前後日本を観たる二支那人の評言、いずれも真言なるは大に首肯するに足る、山水は美に、人は勤勉なるはわが神州の姿なり、然れども国土の貧弱なることもまた事実なり、よって鬱勃たる気魄、この時正当如何に処すべきか、現事変下示唆を受くるところ最も深刻なるものあり、因てこの意を寓して題と作す。
[#ここで字下げ終わり]
解説そのものについては、作者としてこれ以上何もつけ加えるものはないが、解説をつけたという気持に対して、ここに先ずいささか説明を加えて置こう。
解説をつけた直接の動機は、極めて簡単なことであった。つまり画題が判らぬと
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