旧藩情
福沢諭吉
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《テキスト中に現れる記号について》
《》:ルビ
(例)緒言《しょげん》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)旧藩情|緒言《しょげん》
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(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「弗+色」、第3水準1−90−60]然《ふつぜん》
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旧藩情|緒言《しょげん》
一、人の世を渡るはなお舟に乗《のっ》て海を渡るがごとし。舟中の人もとより舟と共に運動を與《とも》にすといえども、動《やや》もすれば自《みず》から運動の遅速《ちそく》方向に心付《こころづ》かざること多し。ただ岸上《がんじょう》より望観《ぼうかん》する者にして始《はじめ》てその精密《せいみつ》なる趣《おもむき》を知るべし。中津《なかつ》の旧藩士も藩と共に運動する者なれども、或は藩中に居《い》てかえって自《みず》からその動くところの趣《おもむき》に心付かず、不知不識《しらずしらず》以て今日に至りし者も多し。独《ひと》り余輩《よはい》は所謂《いわゆる》藩の岸上に立つ者なれば、望観《ぼ
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