年の間に三百円の元入れを卸し、すなわち一月に五、七十円の利益を得るは、洋学生の商売なり。かの耳の学問にて官員となる者はこの三百円の元入れをも費やさざれば、その得るところの月給は正味手取りの利益なり。
世間諸商売のうちにかかる割合の大利を得るものあるべきや、高利貸といえどもこれに三舎を譲るべし。もとより物価は世の需要の多寡により高低あるものにて、方今、政府をはじめ諸方にて洋学者流を求むること急なるがため、この相場の景気をも生じたるものなれば、あえてその人を奸《かん》なりとて咎《とが》むるにあらず、またこれを買う者を愚なりとて謗《そし》るにあらず、ただわが輩の存意には、この人をしてなお三、五年の艱苦《かんく》を忍び真に実学を勉強して後に事につかしめなば、大いに成すこともあらんと思うのみ。かくありてこそ日本全国に分布《ぶんぷ》せる智徳に力を増して、はじめて西洋諸国の文明と鋒《ほこさき》を争うの場合に至るべきなり。
今の学者何を目的として学問に従事するや。不覊《ふき》独立の大義を求むると言い、自主自由の権義を恢復すると言うにあらずや。すでに自由独立と言うときは、その字義の中におのずからまた
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