の衣纏ひて月見ると云へ
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 さて如何いふ光景を作者は描かうとしたのであらうか、これだけでは分らない。読者は好む儘に場合を創り出してよからう。たとへば奥様は余り暑いのでベランダで半裸体になつて月を浴びてゐます、ですから御目にかかれませんと云へとのことですと小間使ひか何かに旨を含めて男を断るといつたやうな場合である。

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我が手をば落葉焼く火にさし伸べて恥ぢぬ師走の山歩きかな
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 自分では最後まで形の上でも若さを失はない様に努めて居られたが、年六十を越えて枯れきつた老刀自の面目はちよいちよいその片鱗を示し、これなどもその一つと見てよからう。

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地は一つ大白蓮の花と見ぬ雪の中より日の昇る時
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 言葉といふ絵具を使つて絵を描く絵師がある。この作者もその一人であるが、若い時から特別の技量を具へてゐて容易に人の之に倣ふを許さなかつた。而して大きな光景を描く時に特にはつきり之が現はれたものである。この歌の如きもその一例である。白皚々たる積雪を照らして金の塊りの様な朝日が登つて来
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