ふ意が隠れてゐる。

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秋霧の林の奥の一つ家に啄木鳥《きつつき》飼ふと人教へけり
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 故あつて失踪した人、恐らくは自分を思つてその思ひの遂げられぬことが分つた為に失踪したらしいあの人が、秋霧の深い山の奥の一軒屋にかくれ住んで啄木鳥を友として静かに暮してゐるといふ噂がこの頃聞えて来た。一つの解はかうも出来るといふ見本だ。読者は自己の好む儘に解いてそのすき腹を満たすが宜しい。

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大阪[#「大阪」は底本では「大附」]の煙霞及ばず中空に金剛山の浮かぶ初夏
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 六甲山上から大阪の空を眺めた景色、そこには大阪の煙の上に金剛山が浮んでゐる。あの濛々と空を掩ふ様な大阪の煤煙[#「煤煙」は底本では「媒煙」]もここから見れば金剛山の麓にも及ばないのだと感心した心も見える。その煙霞といつたのは写生で殊更に雅言を弄んだのではない。

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後朝《きぬぎぬ》や春の村人まだ覚めぬ水を渡りぬ河下の橋
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 川上の女の家を尋ねてのあした、村人さへまだ起きぬ早朝、朝靄のほのかに立ち
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