気軽な、良寛ほども俗気のない方だつた。さういふ和尚さんを相手に何の屈托もなく春の一日を遊び暮す作者の心持、それがあらはれてこの歌になるのである。

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君まさぬ端居やあまり数多き星に夜寒を覚えけるかな
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 夫の留守を一人縁に出て涼んでゐたが、ふと夜空を仰ぐと降るやうな一面の星だ。それを見てゐると急に寒くさへなる。作者に於ては冴えた星の光と寒さとの間に何か感覚のつながりがあるであらう。

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明星の山頼むごと訪ねきて積る木の葉の傍に寝る
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 十二年の晩秋箱根強羅の星山荘にあつての作。明星の山は前の明星が岳である。あの山を頼みにして訪ねて来たのに、この落葉の積りやうは如何だ、まるで落葉の中に寝に来たやうだ。積る木の葉の傍に寝るとは何といふ旨さだ、唯恐入つてしまふ。

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相人よ愛欲せちに面痩せて美くしき子によきことを云へ
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 面痩せて美しき子即ち痩せの見える細面《ほそおもて》の美人が、愛欲の念断ち難く痩せるほど悩んで、未来を占はせてゐるのだ、人相見さん、
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