が明亮になるのである。

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家七間霧にみな貸す初秋を山の素湯《さゆ》めで来しやまろうど
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 赤城山巓大沼のほとりにその昔一軒の山の宿があつた。東京の暑気に堪へぬ高村光太郎君が夏中好んで滞在してゐた。そこへ一夏同君を尋ねて寛先生、三宅克巳、石井柏亭両画伯などと御一しよに私も行つたことがある。作者はこの時は御留守居であつたが、私達が吹聴したその風光にあこがれてその後子達を連れて登られ、途中雷雨の為にひどい目に会はれたことがある。そのために赤城の風光は一時御機嫌にふれてひどい嘲罵に会ひ、先に行つた私達のでたらめであつたと言はれたことを覚えて居る。しかしこの歌を読むとやはり当時のあの赤城の宿らしい感じがする。客など殆どなくその代りに霧が来て室を占領し、肴は山のものと大沼の魚だけである。それを山の素湯といひ、こんな所へよくいらつしやいましたといふわけである。

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我が為に時皆非なり旅すればまして悲しき涙流るる
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 これは上山田への途上千が滝のグリインホテルに泊つた時の作で、当時の心持がよく窺へる歌だ。
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