てこの像を喜ばしめる理由が存するやうに思へるからである。

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人聞きて身に泌むと云ふこと云ひぬ物の弾みはすべてわりなし
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 かういふ体験は私にもある。唯それが云ひ現はせなかつただけである。それを作者が代つて云つてくれたのである。要するに物の弾みだ、どれ程多くの行為がもののはずみに行はれ、どれ程多くの言説がもののはづみに人の口から出たことであらう。理窟で分ることではない。

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明日といふよき日を人は夢に見よ今日の値は我のみぞ知る
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 作者の現在観は幾度か歌はれてゐるが、真正面から堂々と高調してゐる場合が多い。然るにこの歌では珍しく他を顧みて、我以外のものが皆今日を忘れ期待を明日以後にかけて人生を送つて居るのを見て、そんなことでよいのかと警告を発する趣きが見える。私の少し人より余分に人のなし得ない事をやり了せるのは、今日の値を知つてそれを一杯に使ふからである。

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若き日は安げなきこそをかしけれ銀河の下《もと》に夜を明かすなど
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 この歌は大正十年
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