出て居る。
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夢醒めて我身滅ぶと云ふことの味ひに似るものを覚ゆる
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夢が浮世か浮世が夢か、畢竟夢の世の中に唯一つ確なことは夢の存在である。夢だけは確に夢である。その夢の醒めることは即ち我が身の滅びることでなければならない。仏教哲学的に云へばさういふ理窟にもなるが、この歌はそんなことには関係なく単に作者の瞬間的の感覚を抒したもので、私にも同じ様な醒め際があるのでよく分る。しかしその感覚の根底を為す潜在意識といふものがありとすれば前の理窟のやうなものでは無からうか。
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宮城野の焼石河原雨よ降れ乾く心はさもあらばあれ
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大正十一年十月初めて箱根仙石原に遊んで俵石閣に泊したその時の作。丁度早川の水涸れの時期であつたらしい。焼石のごろごろして居る河原は見るも惨たらしいが、それは実はわが心が同じ様に乾いてゐるので、それが反映して痛ましく感ぜられるのではないか。せめて雨が降つて河原だけでも濡らして欲しい。それを見たら私の心も少しは沾ふことだらう。といふ様な意味の歌だが、そんなことは如何でも宜しい。
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