て来るのである。これは純な日本の伝統を襲ふものであるから晶子歌でも翻訳は出来ない。

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物見台さることながら目を閉ぢて我は木の葉の散る音を聴く
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 武蔵野にある久保田氏の都築園といふのに遊んだ時の作。その中に物見台といふ小高い所があつて登つて見たが、私は物を見る代りに目を閉ぢて反つて木の葉の散る昔を聴いてゐる。極く軽いユウモアはあるが別に皮肉ではない。さうして反つてよく武蔵野の晩秋の光景があらはれてゐる。

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森に降る夕月の色我が踏みて木の実の割るゝ味気なき音
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 これは珍しく押韻の歌があつた。啄木流に三行に書くと
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森に降る夕月の色
我が踏みて
木の実の割るゝ味気なき音
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 はつきりものの音が響いて来て一寸面白い。意識して作つたものでは勿論ないが、将来ロオマ字歌が作られる様になつたらこんな方向にも進む機会がないとも限らない。

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降る雪も捕手が伸ばす足も手もうるさき中の美くしき人
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 作者は必ずし
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