をあしらふことによつて有馬情調そのまゝに表現されてゐる。
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下京《しもぎやう》や紅屋《べにや》が門《かど》をくぐりたる男うつくし春の夜の月
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[#全角アキは底本ではなし]うつくしはもとかはゆしとあつてそれ故に名高かつた歌の一つである。ここには作者の意志を尊重して改作の方に従つたが、晶子フアンの一人兼常博士などはかはゆしでなければいけないと主張される。成程さう聞くとかはゆし[#「かはゆし」は底本では「かあゆし」]の方がよいかも知れない。しかし要は下京あたりの春の夜の情調が出ればそれでよいのであらう。紅屋とは紅花を煮て京紅をつくる家の意味であらう。若旦那か番頭か美男が一人門から出て来たといふのであるが、断るまでもなくこれは明治時代の話です。
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山荘へ凧吹かれぬと取りに来ぬ天城なりせば子等いかにせん
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伊豆三津の五杉山荘滞在中の作、子供が山荘へ落ちた凧を取りに来た。山荘だからよかつたものの、このうしろの天城山へでも飛んだのだつたらどうだらうといふ即事のユウモアであるが、このユウモアがこれば
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