でもあの人達の様に気が狂つてくれたら心も楽にならうものをと思ふのであつた。
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浅緑梨の若葉のそよぐ頃轎して入りぬ千山の渓
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湯崗子温泉から東方五里の処に千山がある。満洲第一の勝地と聞いて、わざわざ轎の用意をして貰つて登山した。さうして多数の佳什を残したが、その心の喜びが一見報告のやうなこの歌にもよく出て居る。
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何れぞや我が傍に子の無きと子の傍に母のあらぬと
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今私が巴里で斯うして居ることは、三千里外に母と子とを引離して居ることであるが、何れの側が一番寂しい辛い思ひをして居るのであらう。そばに子のゐない私か、それとも母の居ない麹町の子供達か。心にもない日を送りたくない為に私は思ひきつて夫の側へ来たのであるが、それは同時に子供達から遠ざかることとなつて志と違つてしまつた。夫人の郷愁はここから生じて遂にまたまた一人で帰朝してしまつたのである。
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無量観わが捨て難き思ひをば捨て得し人の青き道服
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千山には仏寺の外に道教の廟観がある。無量観
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