るが鎌倉らしい気分が夕月の光のやうにさしてゐる。

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我が造る諸善諸悪の源をかへすがへすも健かにせん
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 これも晶子哲学の真髄を示すものであり又自ら策励するものでもある。行為として現はれることなどは抑※[#二の字点、1−2−22]末である。それが善であらうと悪であらうと構はない。それよりそれらの行為の出て来る根本観念だけは何としても健全なものにして置かねばならぬ。私の努力はそのために払はれる。

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海の月前の浜にて人死ぬとなど鎧戸を叩かざりけん
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 朝起きて見ると、前の浜に死人があると罵り合ふ声が聞こえる。空には残月が懸つてゐる。ああこの月は昨夜海の上で見てゐたのだ、前の浜で人が死ぬと一言言つて鎧戸を叩いてさへくれたら、直ぐにも起きて助けにいつたものをと詩人は私かに悔ゆるのである。

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家の内薄暗き日もあてやかに白きめでたき雛の顔かな
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 三月の雛祭のある曇り日のスナツプで、尋常人の気のつかない細かい感触が捕へられてゐる。

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