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 七瀬さんの良人即ち唯一人のお婿さんが茅が崎の別邸で若い身空で亡くなつた時之を悼んだ作であるが、その子を思ふ切々たる哀調は永く読むものの心を打たずには置かないであらう。

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その妻を云ひがひなしと憎みつつ罵りつつも帰りこよかし
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 一人留守をすることは最早堪へられない。子女養育の大責任を負ひながらその言ひがひなさは何事だと憎まれても罵られても構はない、それよりも帰つて貰ひたいのです。

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崩れたる牡丹昨日の夕風の如何なりしかは我のみぞ知る
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 崩れたる牡丹我のみぞ知ると続くのであらう。昨夕のあの風の恐ろしかつたこと、それはそのために崩れた牡丹の私丈が知つて居ることです。さういふ牡丹の述懐で、その調子に一抹の凄味が感ぜられる。

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十の子と一人の母と類ひなく頼み交はすも君あらぬ為め
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 何といふやさしい真情の溢れた歌であらう。私はこの歌を取つて、同じ様な子を持つ或は夫を失ひ、或は留守をする若い母親にすすめて日常口誦させたいと思
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