もこの高さには至り得ない。これも軽井沢での作。
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鎌の刃の白く光ればきりぎりす茅萱を去りて蓬生に啼く
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このきりぎりすも昼鳴く虫※[#「虫+斯」、第3水準1−91−65]で、今でも玉川の土堤へ行けばこの光景が見られる。しかし見てもなかなか歌へる光景ではない。歌つても人が出て来て虫が主にならない。特に人を抜いて独り鎌の刃を躍らせて居る所が人の意表に出てそこに新鮮味が生れるのである。
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山の池濁る身ならば濁れかし労ふ如し秋雨の中
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雲場の池に秋雨が降り込んで濁るに非ず澄むにあらず落ち付きのない池の面をいたづき労ふものの如く見て、濁るならいつそ濁つてしまへば安心が出来るのにと、女らしいデリケエトな感じを出してゐる歌。
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芝居より帰れば君が文著きぬ我が世も楽し斯くの如くば
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見た所こんな楽しい明るい歌は晶子二万五千首中にも多く類を知らない。しかしほんとうは辛いきびしい人生にも一日位こんな日があつてもよからうといふ意味で思つた程楽しい歌ではな
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