恋人をして云はしめてもそれでもよい。

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讃岐路のあやの松山白峰に君ましませばあやにかしこし
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 この歌の下に流れてゐる感じは、前にあげた圓位と順徳院の真野の山陵の場合と全く同一で五百年を隔てて古への薄幸な帝王を忍ぶ悲壮ではあるが冷静な心持である。さればその感じも自らあらはれてその調子の高いこと、前の歌にも劣らない。あやの松山は崇徳院の流され給ふた所、又山陵の存在地でもあつた。保元物語に 浜千鳥あとは都に通へども身は松山に音をのみぞ泣く といふ御歌がありその頂を白峰といふらしい。あやは阿野又は繞で郡の名、そのあやにあやにかしこしのあやを引かけ、ここに寛先生の短歌革新運動以来追放されて久しいかけ言葉が復活した次第である。しかも大真面目に壮重に復活したのであつて、かけ言葉もここ迄来れば立派な音楽でもある。

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春につぎ夏来ると云ふ暇無さ黒髪乱し男と語る
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 晶子さんの秀歌の中には、同じ程の本分のある人なら作れさうな歌も少くはない。しかしこの歌に限つて晶子さんでなければ出来ない。私はさう思つてこの
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