信はない。或は象徴詩かも知れない。又さうでもなく心中とは全然無関係のものかも知れない。

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麻雀の牌の象牙の厚さほど山の椿の葉に積る雪
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 この雪は伊香保の正月の雪であるが、この歌はそんなことに一切触れず、反つて麻雀牌に張つてある象牙の厚さを寸法として椿の葉に積つた山の雪の厚さを測定してそれだけで恐ろしい程の印象を与へるのである。

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長椅子に膝を並べて何するや恋しき人と物思ひする
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 若い時代の歌の内、最も平和な最も幸福な而してまた最もプラトニツクなものを求めたらこの歌が出て来るだらう。歌の中の人物の為に私は今更めて乾杯したい。時是昭和二十一年クリスマスイイヴ[#「イイヴ」はママ]。

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二荒山雲を放たず日もこぼれ雨もこぼるる戦場が原
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 男体白根は雲中に出没し、戦場が原は秋霧が渦を巻いて白け渡り索漠たる光景を呈してゐる。それでも霧の去来する僅の間隙から日光のこぼれることもあり、又反対に濃い霧が来た時は雨になつてばらばら零れることもある。併し
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