明治時代は風流なことであつた。今なら「こめ」「はくさい」「しほざけ」と云ふに違ひない。
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いつまでもこの世秋にて萩を折り芒を採りて山を行かまし
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伊豆の吉田に大室山といふ大きな草山がある。島谷さんの抛書山荘から歩いて行ける。この歌の舞台で、奈良の三笠の山を大きくし粗野にした景色である。終日山を行つて終日山を見ず、萩を折り芒を採つてどこまでも行きたい様な心持を作者に起させたに違ひない。
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表町我が通る時裏町を君は歩むと足ずりをする
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足ずりをするは悔しがることである。事余りに明白なので解説の必要もないが、その表象する場合は数多くあらう。誰でも一度や二度覚えはあらうから読者は宜しく自己の体験に本づいて好きな様にあてはめて見るべし。歌が面白く生きて来るだらう。
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黄昏に木犀の香はひろがれど未だつつまし山の端の月
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夕方になると木犀の香は一層高くなり遠くへもひろがる。空気の澄んだ湖の家のこととて尚更いちじるしい。その強烈な匂ひに対して山の端
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