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 咢堂先生を嘗て莫哀山荘に御尋ねした時軽井沢では梅雨期にはほととぎすが喧しい位啼くといふ御話であつた。私はさういふほととぎすをラヂオの録音以外には聴いた事がない。このほととぎすは伊豆の吉田のそれで私の隠宅尚文亭で毎年聞くものと同じものらしく、少しく間を置いて啼いたものらしい。この歌の鳥は咒文か真言か鳥の国の文章を読むものと見做されてゐるが、一章を読み了へて後一章を次ぐとはよく聴いたもので、これ以上的確な写生はあるまい。

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髪あまた蛇頭する面振り君にもの云ふ我ならなくに
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 メヅウサはもとは美しい女であつたが、ミネルバの怒りに触れて、髪の毛を蛇に変へられ、その目で見られたものは恐ろしさに何物も皆化石してしまふといひ伝へられる女である。そんなメヅウサのやうな顔をしてあなたに物を云つて居る私ではないとは思ふものの、もしさうであつたら如何しよう、あり得ないことでもないから。半信半疑又は我を疑ふ場合であらう。

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誓ふべし山の秘密を守るべし蛾よ我が路に寄り来る勿れ
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