無からうか。

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一人にて負へる宇宙の重さよりにじむ涙の心地こそすれ
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 君と暮した四十年間十余人の子女を育てて私は重荷を負ひ続けて来た、しかし半ばは君に助けられつつ来たのである。今は一人で全宇宙を背負ふことになつたのであるから、その重さからでも涙はにじみ出るであらう。又ついで 業成ると云はば云ふべき子は三人他は如何さまにならんとすらん とも歎いて居られるが結果は一人の例外なくこれら凡ての子女をも女の手一つで立派に育て上げられたのであるから驚き入る外はない。

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もの欲しき汚な心の附きそめし瞳と早も知りたまひけん
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 君に対する時だけは少くも純真な心でありたいと心掛けて来たが、この頃はいつしか人間の本性が出て来てそれが色にも顕はれるやうになつた。敏感な君のことだからとうにそれに気づいて居られるのであらう。ああいふ御言葉が出るのもその為であらう。「どうしたらよからう、恥しいことでもある」先づこんなことでは無からうかと思はれるが、よくは分らない。

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君が行く天路に入らぬも
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