僕が生き残つて、かうして歩いてゐるのを知つてゐる。お前は知つてゐるだらうか、僕がかうして歩いてゐるのを……。光線はすつかり仄暗くなつて、向側の広い道路は茫としてゐる。誰か一人の少女がその茫とした光線の方に歩いてゆく。その影は少しづつ消えうせてゆく。



底本:「日本の原爆文学1」ほるぷ出版
   1983(昭和58)年8月1日初版第一刷発行
初出:「群像」
   1950(昭和25)年11月号
※連作「原爆以後」の8作目。
※本作品中には、身体的・精神的資質、職業、地域、階層、民族などに関する不適切な表現が見られます。しかし、作品の時代背景と価値、加えて、作者の抱えた限界を読者自身が認識することの意義を考慮し、底本のままとしました。(青空文庫)
入力:ジェラスガイ
校正:大野晋
2002年9月20日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
前へ 終わり
全12ページ中12ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
原 民喜 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング