ニき、はじめの馬が、私の後から、「ちょっと待て」というようにいなゝきました。なんだか私は呼びとめられたような気がしたので、思わず引き返しました。そして、彼のそばへのこ/\近づいて行きました。一たい、これはどうなるのか、実はそろ/\心配でしたが、私は平気そうな顔つきでいました。
二匹の馬は、一匹は青毛で、もう一匹は栗毛でしたが、彼等は私の顔と両手をしきりに見ていました。そのうちに、青毛の馬が前足の蹄で、私の帽子をグル/\なでまわしました。帽子がすっかりゆがんだので、私は一度脱いで、かむりなおしました。これを見て、彼等はひどくびっくりしたようでした。今度は栗毛の馬が私の上衣に触ってみました。そして何か不思議そうに驚いています。それから彼は私の右手をなで、ひどく感心している様子でしたが、蹄《ひづめ》に挟《はさ》まれて手が痛くなったので、私は思わず大声をたてました。そうすると、彼等は用心しながら、そっと、触ってくれるようになりました。彼等は、私の靴と靴下が、いかにも不思議でならないらしく、何度も触っては互にいなゝき合いました。そして、しきりに何か考え込むような顔つきをしていました。
こんな
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