纓、させる、と言って私をつれ出しました。それから彼等はむりやりに私をボートに乗せてしまいました。一リーグばかり漕いで行くと、私を浅瀬におろしました。
「一たいこゝはどこの国なのか、それだけは教えてください。」
と私は頼みました。しかし、彼等もそこがどこなのか全然知らないのでした。
「満潮にさらわれるといけないから早く行け。」
と言いながら、彼等はボートを漕いで行きました。
こうして、私はたった一人で取り残されました。仕方なしに、歩いて行くと、間もなく陸に着きました。そこで、しばらく堤に腰をおろして休みながら、どうしたらいゝものか考えました。少し元気を取り戻したので、また奥の方へ歩きだしました。私は誰か蛮人にでも出会ったら、さっそく、腕環《うでわ》やガラス環などをやって、生命だけは助けてもらおうと思っていました。
あたりを見わたすと、並木がいくすじもあって、草がぼう/\と生え、ところ/″\にからす[#「からす」に傍点]麦の畑があります。私はもしか蛮人に不意打ちに毒矢でも射かけられたら大へんだと思ったので、あたりに充分眼をくばりながら歩きました。やがて、道らしいところに出てみると、
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