ワす。それから最後に、私は社会のいろんな出来事を何でもくわしく書いておきます。風習や、言語や、流行や、服装や、娯楽などが移り変るたびに、それらを、一つ/\書きとめておきます。こうしておけば、私はやがて活字引《いきじびき》として皆から重宝がられます。
 六十を過ぎたら、私は規則正しい安楽な生活をしたいと思います。そして、有望な青年を導くことを、私の楽しみにします。私の記憶や経験から、いろんなことを彼等に教えてやりたいと思います。
 しかし、絶えず交わる友人には、やはり私と同じような、死なゝい仲間を十二人ほど選びます。そして、もし彼等のうちに生活に困っているようなものがあれば、私の土地のまわりに便利な住居を作ってやります。それから食事のときには、彼等のうちから数人招きます。もっともそのときには、普通の人間も、二三人ずつ立派な人を招くことにします。なにしろあまり長く生きていると、普通の人間が、どん/\死んでゆくことなど、別に惜しくもなんともなくなるでしょう。孫が出来れば、私はその孫を招いたりするでしょう。こうなると、ちょうどあの庭のチューリップが、毎年人の目を楽しませて、前の年に枯れた花を悲
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