gなりで、偉い方らしく思われました。私の方を見ては、何かしきりに相談しているようでしたが、ついに、その一人が、上品な言葉で、何か呼びかけました。私もさっそく、返事しました。が、どちらも、言葉はまるで通じません。たゞ、私がひどく困っていることだけは、身振りで、わかってくれました。
相手は私に、岩からおりて海岸の方へ行け、と合図しました。で、私はそのとおりにしました。すると、その飛ぶ島は、ちょうど、私の頭の上に、その縁が近づいて、一番下の通路から、一本の鎖がする/\とおりてきました。鎖の先には、腰掛が一つついています。私がそれに乗ると、鎖はそのまゝ巻き上げられてゆきました。
私がその島へおりると、すぐ大勢の人々が私を取り囲みました。見ると、一番前に立っているのが、どうも上流の人々のようでした。彼等は私を眺めて、ひどく驚いている様子でしたが、私の方も、すっかり驚いてしまったのです。なにしろ、その恰好も、服装も、容貌も、こんな奇妙な人間を私はまだ見たことがなかったからです。
彼等の頭はみんな、左か、右か、どちらかへ傾いています。目は、片方は内側へ向き、もう一方は真上を向いているのです。上
前へ
次へ
全249ページ中149ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
原 民喜 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング