性慾!
私は泣きたい気持ちで、此の言葉を噛んだ。
二月×日
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芙美子さま。
何も云わないでかんにんして下さい。指輪をもらった人に強迫されて、浅草の待合に居ます。
妻君があるんですけど、それは出してもいゝって云うんです。
笑わないで下さい。その人は請負師で、今四十二です。
着物を沢山こしらえてくれましたの貴女の事も話したら、四拾円位は毎月出してあげると云ってました。
私嬉しいんです。
[#ここで字下げ終わり]
読むにたえない時ちゃんの手紙の上に、こんな筈ではなかったと、涙が火のようにむせた。
歯が金物のようにガチガチ鳴った。
私がそんな事をいつたのんだ[#「いつたのんだ」に傍点]! 馬鹿馬鹿こんなにも、こんなにもあの十八の女はもろかったのか!
目が円くふくれ上がって、見えなくなる程泣きじゃくった私は、時ちゃんへ向って呼んで見た。
所を知らせないで。浅草の待合なんて……。
四十二の男!
きもの[#「きもの」に傍点]、きもの[#「きもの」に傍点]。
指輪もきもの[#「きもの」に傍点]もなんだ真念のない女よ!
あゝでも、野百合のように可憐であっ
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