っしやい。」
 足の悪い鶴が申しました。
 かえって来た鶴たちはよろこんで涙を流しました。
 それからは、みんなで働きに行って、みんな仲よくわけあって食べました。――にぎやかな美しい鶴の国はいまもどこかにあるのでしょうか‥‥。
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きれいなこころがいつもいい、
まずしくてもこころはゆたか、
みんなでわけあって、
みんなで働いて、
いつもきれいなこころで、
みんな愛しあってゆきましょう。
[#ここで字下げ終わり]
 鶴の笛は、いつもそういってピヨロピヨロとやさしくなっていたのです。



底本:「林芙美子全集 第十五巻」文泉堂出版
   1974(昭和52)年4月20日発行
入力:林 幸雄
校正:花田泰治郎
2005年6月27日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
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