か
さても侘しきあきらめかや
真実友はなつかしけれど
一人一人の心故――
黍の葉のみんな気ぜはしい
やけ[#「やけ」に傍点]なそぶりよ
二十五の女心は
一切を捨て走りたき思ひなり
片瞳をつむり
片瞳を開らき
あゝ術もなし
男も欲しや旅もなつかし。
あゝもせやう
かうもせやう
おだまき[#「おだまき」に傍点]の糸つれづれに
二十五の呆然と生き果てし女は
黍畑のあぜくろ[#「あぜくろ」に傍点]に寝ころび
いつそ深くと眠りたき思ひなり。
あゝかくばかり
せんもなき
二十五の女心の迷ひかな。
――一九二八、九――
[#改丁]
目次
自序
蒼馬を見たり
蒼馬を見たり
赤いマリ
ランタンの蔭
お釈迦様
帰郷
苦しい唄
疲れた心
鯛を買ふ
鯛を買ふ
馬鹿を言ひたい
酔醒
恋は胸三寸のうち
女王様のおかへり
生胆取り
一人旅
善魔と悪魔
灰の中の小人
秋のこゝろ
接吻
ロマンチストの言葉
ほがらかなる風景
いとしのカチユーシヤ
いとしのカチユーシヤ
海の見へない街
情人
雪によせる熱情
酔ひどれ女
乗り出した船だけど
赤いスリツパ
朱帆は海へ出た
朱帆は
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