てどつかへ走つて行つてしまつた。

 今年は最早その家族もサギノミヤとかへ越してしまつた。隣家の柿の実は早や小さな実を鈴なりにつけてゐるが、今日は日照りがなかつたからまづいだらう。[#地から1字上げ]――一九三四――一



底本:「日本の名随筆 別巻84 女心」作品社
   1998(平成10)年2月25日第1刷発行
底本の親本:「旅だより」改造社
   1934(昭和9)年8月
入力:浦山敦子
校正:noriko saito
2008年1月23日作成
青空文庫作成ファイル:
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