、長庵! この換玉《かえだま》は貴様の思いつきか、それとも山城も承知の上でか。とにかく、今夜はこの娘をつれて早々退散しろ。下谷黒門町とやらの家まで送ってつかわすのだ。山城のほうへは、当方より追って挨拶いたす」
「何を言っているんですよ」お六だ。嫉妬半分《やきはんぶん》である。「あなたが色好《いろごの》みで変な気を起すからこんなことになるんですよ」
「貴様は黙っておれと申すに! 妙……と申したな、今に此家《このいえ》に血の雨が降るから、長庵坊主にクッ着いて早速引き取れ」
 途端に五人は、言い合わしたように声を呑んだ。
 笑い声がする――どこからか、クックックッ……忍《しの》び笑《わら》いの声がするのだ。
 わアッ! と柄《がら》にもなく、悲鳴を揚げたのは長庵だ。
「それ御覧なさい。だから言わないこっちゃない。首が――首が笑っているじゃアありませんか」
「何でもよい!」グッと威を示した造酒だ。「坊主は娘の手を引いて下谷へ急げ!」
 呶鳴《どな》ったところで、忍び笑いがもう忍び笑いではない。公然と、ゲラゲラ笑う声が近くに起って、ズサリ! 首を奉安した座敷、その床の間わきの押入れを内部《なか》
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