ぞ、大岡殿を毛虫の如く厭《いや》がっておらるる」
「ところで、それはそうとして、今日お集り願った目的であるところの喬之助討ち取りの方策じゃが――」
「ナニ、面倒なことはない。おれの前へ引っ張って来い!」
「黙られい! 徒《いたず》らに大言壮語――オッ、そういうお手前は、笠間氏じゃな、うわさによると、お手前は鎧兜《よろいかぶと》を着して寝《しん》に就《つ》かれるということじゃが」
わいわい、がやがや、大変な騒ぎのところへ、真《ま》ッ蒼《さお》な顔をした長岡頼母が、ヒョロヒョロしてはいって来たから、一同はそっちを見て、合唱のように、「おい、長岡、どうした?」
「長岡うじ、いかが召された?」
頼母は、黙って、手にした忌中札を突き出しながら、
「これが貼ってあった――居間の障子に。開けてみたが、誰もおらぬのじゃ。コレ、この通り、まだ濡れておる」
ドレドレ、見せろ――と、一同がザワザワと起ち上って頼母の周囲《まわり》に集ろうとして! フと気がついた。末席である。
何時の間に来たのか、それとも、初めから評議に加わっていたのか、その末席《まっせき》に、両手をついて、ジッと平伏したきりの一人の
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