も御苦労な話で。
で、殿様につぐ第二の鍬は、一風宗匠。
非常な老齢ですから、立っているだけでせいいっぱいだ。むろん、とても鍬なんか持てやしない。高大之進が鍬を持って掘るまねをすると、人の介添《かいぞえ》で一風がちょっと手を添えただけだ。
こうして地中から取り出した金は、案の定、やっと日光の費用に間に合う程度だったが、これで柳生は、ともかく助かったというもの。
ここに、床の間いっぱいにあふれるように、三宝にのせて飾ってあるのが、こうしたからくり[#「からくり」に傍点]のひそむ金であります。
そんなこととは知らないから、信濃守はうらやましそう。しきりに感心していると、柳生対馬守は事務的に相談を進めて、
「サテ、お山止《やまど》めの儀でござるが……」
と、言い出したとき、
「殿――」
はるか廊下のかなたに、何ごとか知らせに来た侍《さむらい》の平伏する頭が、見えた。
五
はるか下がって、廊下に額を押し当てた若侍の声、
「申し上げます。ただいま……」
ところが。
だいたいこの柳生対馬守は、剛腹な人間の通例として、非常に片意地なところのあった人で、ふだんでも、
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