、じっとうなだれたまま、袖ぐちに重ねた両の手を見つめています。
 が、お蓮様は、眼が早い。
 岩淵《いわぶち》、等々力《とどろき》の両人に案内されて、さっきこの広間へはいってきた若い武士を一眼見ると、サッ! と顔いろを変えて峰丹波をふりかえりました。
 これが源三郎とは知らないお蓮さまだが、あの得体の知れない植木屋が、こんどは、りっぱな武士のすがたで乗りこんで来たんだから、ただならない不審のようすで、丹波へ、
「植木屋が裃を着て、ほほほ、これはまた、なんの茶番――」
 とささやかれた丹波、源三郎ということは、秒時も長く、ごまかせるだけごまかしておこうと、
「ハテ、拙者にも、とんと合点《がてん》がゆきませぬ。なれど、萩乃様の包みをひろいましたる以上、入れぬというわけには……」
 まったく、それは丹波のいうとおりで。
 御礼のつつみを拾われたからには、それが例法《しきたり》、拒む術《すべ》はありません。
 門前に白馬をつないだ源三郎、
「許せよ」
 と大手を振って、邸内へ通ってしまったのです。つづく玄心斎、その他四、五の面々《めんめん》、
「供の者でござる」
 とばかり、これも門内へ押しと
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