ジャムカ》、乃蛮《ナイマン》をやっつけて、帰りにはきっと寄るよ。その時は、合爾合《カルカ》と二人揃って、おれをうんと御馳走してくれよ。きっとだよ。じゃ、さいならっ!
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少年のように、気軽に行こうとする。札木合《ジャムカ》の手から、ばたんと抜刀《ぬきみ》が落ちる。
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札木合《ジャムカ》 (喘いで)成吉思汗《ジンギスカン》! 待ってくれ!
成吉思汗《ジンギスカン》 何だ。何か用かい? (軽く引っ返して来る)
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札木合《ジャムカ》はたまらず駈け寄り、成吉思汗《ジンギスカン》の腕を握り、涙の無言で屍骸の傍へ引っ張ってくる。そして、手早く、死体を隠してある屏風を除《と》る。旗で覆った合爾合《カルカ》姫の屍が現れる。
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札木合《ジャムカ》 成吉思汗《ジンギスカン》! 見てやってくれ!
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成吉思汗《ジンギスカン》は跪《ひざまず》いて、静かに旗を取る。愕く。
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