侍女二三、隅に集《かた》まって恐怖に震えている。
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台察児《タイチャル》の声 (正面露台の上手より、近づく)こらっ! 貴様らは何しに後について来るのだ。乞食ども! ぶった斬るぞ。
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と避難民を追い散らしつつ、合爾合《カルカ》姫を引っ立てて入って来る。合爾合《カルカ》姫は昂然と面を上げて、良人|札木合《ジャムカ》の前に立つ。侍女ら、「ああ、奥方様!」と走り寄ろうとするが、「彼方へ行け」との台察児《タイチャル》の険しい眼くばせに驚き怖れ、そそくさと室外に去る。
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札木合《ジャムカ》 (合爾合《カルカ》を白睨みながら)台察児《タイチャル》、お前はあっちへ行っておれ。
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台察児《タイチャル》は露台上手へはいる。合爾合《カルカ》は首垂れている。間。
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札木合《ジャムカ》 (後退りしつつ狂的に)何しに帰って来た、合爾合《カルカ》、何しに帰って来た
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