収めて、和林《カラコルム》へ凱旋するだけだ。今日はその覇業の第一日だぞ。おい! 乃蛮《ナイマン》の太陽汗《タヤンカン》先生! 出て来い! (虎を呼ぶ)
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舞台一ぱいに、眼の眩むような金色の朝日。美しい朝だ。声に応じて猛虎が走り込んでくる。成吉思汗《ジンギスカン》は嬉しくてたまらなさそうに、その虎の耳を掴んで、頬を平手打ちにする。
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成吉思汗《ジンギスカン》 (虎へ)どうだ、えらいだろう、おれは! はははははは、いい気持ちだなあ。さっぱりしたなあ。どうでえ、恐れ入ったろう、はっはっは。
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と虎の口へ拳固を押し込んだりなどする。巨大な虎が猫のごとく成吉思汗《ジンギスカン》に跳びつく。成吉思汗《ジンギスカン》は絶えず呵々大笑しながら、上になり下になり、虎と一しょに天幕狭しと転げ廻る。幼児のように猛虎とじゃれる。長老|哲別《ジェベ》が駈けこんで来る。
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哲別《ジェベ》 おお、太陽汗《タヤンカン》はここに――。

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