りとで、濡れた碁石のようにつやつやしく光っていた。それは、お高の内側に、何か火が燃えているような感じだった。
 若松屋惣七が帰ってから、歌子とお高は、奥の座敷にすわって、長いこと話しこんだ。お高の眼は、同性の歌子をさえ魅了する眼だった。お高が帰ることになったので、庭から出て柴折戸《しおりど》のところまで送って行きながら、歌子は、自分が、お高のその眼と、ころがるような澄んだ声とに、すっかり包まれているのを意識した。
 お高を見送って、引っかえすとき、歌子はつぶやいていた。あの女は惣七様を想っている。それはわかるけれど、いっしょになれない事情というのは、何だろう? 夜っぴて歌子は、そのことを考えた。が、どうしても想像できなかった。
 惣七さまに、ほかの女のことで引っかかりがあろうとは考えられない。あれほど思いあっているようすなのだから、はやく立派に夫婦になればいいのに、それがそうはゆかないというわけが、歌子にはどうしてもわからなかった。よく気をつけて、二人を見ていることにしよう。そう思った。
 お高が金剛寺坂の家《うち》へ帰って来ると、若松屋惣七が起きて待っていた。
「ほう。ちょっと違った
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