「子供衆でございますか。子供衆ならこのおもての金剛寺というお寺に、たくさんおりますでございますよ。あそこには、一空和尚《いっくうおしょう》というえらい坊さんがいらしって、御自分の坊に、この界隈《かいわい》のおこども衆をおおぜい集めて、学問を教えておいでになりますから」
「何という坊主だ」
「慧日山《けいにちざん》金剛寺の、一空和尚でございますよ」
「しからば、その坊主のもとへ、この金子を献じて参ろう。若松屋どのの帰りを待つあいだに、ちょっと行って来ましょう」
龍造寺主計は、手の小判をちゃらちゃらいわせて、飄々《ひょうひょう》と[#「飄々《ひょうひょう》と」は底本では「飄《ひょう》、飄と」]たち上がっていた。
衣懸《きぬかけ》の松
一
龍造寺主計は、思い立つとすぐ、うらの金剛寺の一空和尚のところへ金を納めに出て行った。
お高は、何という変わったお侍であろうと思った。そして、しじゅう近所の子供を集めて、子供たちといっしょに遊びながら学問を教えている、あの一空和尚のでっぷり肥《ふと》った。のんきそうな顔を思い浮かべた。あれでこれから春秋《しゅんじゅう》の
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