起って行って障子をしめ切って来た。
お高は、若松屋惣七が、まだ帰ってきていなければいいと思って、いそいで帰宅《かえ》った。お高は、若松屋惣七へきた手紙のことで、惣七のためとはいえ、勝手に策動して、しかも、失敗したので、こころが重かった。どうしていいか、わからなかった。
じぶんがおせい様と話しているところへ、磯五と、あのお駒という女がやって来たときに、思い切って、磯五が自分の良人であること、そして、お駒は、磯五の妹でも何でもないことをいってのけることができたら、両方の面皮をいっしょにはいで、それがいちばんよかったのだが、お高は、どうしてもそれができなかったのだが。
その前から、お高があんなにいったのに、おせい様が、ちっとも信じてくれようとしないから、お高に、その力が出なかったのだ。お高が、身分をうちあけて、生きた証拠を示さない以上、おせい様は、磯五のいうことを真に受けて、お高の言には、はじめから一顧をもあたえないにきまっている。だが、お高は、じぶんが磯五の妻であると、おせい様に知られることは恥ずかしくてたまらなかった。とてもいえないのだ。
おせい様と磯五のあいだが、ゆくところまで
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