」に傍点]平兵衛を連れて雲水の旅に出ようとしていた。そして、ただ気がかりな新太郎を守人に托そうとして、守人の帰りを待っているが、新太郎が守人を通して、お蔦にあえば、お蔦としては親子としての覚えもあろう。が、それは、お蔦と守人にとって新しく生きる道へのさまたげとはなるまい。
守人が、帰雁に饗庭亮三郎の血を塗ったとき、下から里好の乾分の一人が上がって来て、笑いながらいった。
「みんな片づきやしたよ。もう、烏羽玉組は全滅でさあ」
朝の光が、抱き合ったお蔦と守人の上に落ちた。
底本:「巷説享保図絵・つづれ烏羽玉」立風書房
1970(昭和45)年7月10日第1刷発行
入力:kazuishi
校正:久保あきら
2009年1月28日作成
青空文庫作成ファイル:
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