林田英三の死顔を改めてあなたに御紹介するの光栄を有することを喜びます[#「稀世の天才犯人林田英三の死顔を改めてあなたに御紹介するの光栄を有することを喜びます」に傍点]」
藤枝の声は魔法のようにひびき渡つた。
いあわす人々、高橋警部をはじめ、ひろ子も笹田執事も刑事たちもしばらくポカンとして一言も発し得ない。
「私には何のことかさつぱり判らん」
やつと警部が一言云つた。
「今すぐ判るようになりますよ。ああ、さだ子さんはもう回復したでしよう。木沢さんがついておられる筈ですから一緒に行つて見ましよう。さだ子さんにきけばさし当り、今日の始末は判ります」
云わるるままに、一同はさだ子の寝室へとはいつた。
木沢氏の説でも、もうさだ子は全く回復して、訊問に堪えるということだつたのでわれわれはすぐに彼女の枕辺にあつまつた。
「あぶない所でした。しかしちようど間にあつて幸でした。御気分は」
「はあ、もう大抵」
「驚きはお察しします。何しろ林田が、いきなりとびかかるとはお思いにならなかつたでしようからね」
「はい、ほんとうにもうびつくり致しましたわ。ではあの方が……」
「そうです。お母さんをはじめ
前へ
次へ
全566ページ中467ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
浜尾 四郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング