が判らないんだ。しかしね林田君、今度こそ僕はあの事件の真相を捕えることができたと思うのだがね。君にはどうだい、多少はあてがついたかい」
「つかぬこともないさ」
「かつて君に云つた通り、今やわれわれは同盟するか、争うかだ。いずれにしても僕は自分の手にあるトランプを君に示す方がいいと思う。ね、君、ききたまえ。僕は秋川殺人事件の原因をまずはつきりとつかんだよ。
4
「犯人の殺人の動機が何であろうとも、今まで展開された事実でわれわれはもつと早く犯人を名指すことができた筈だつたのだ。それに気がつかなかつたのは、全く僕の力が足りなかつたのだが、今や僕は犯人のあの恐ろしい犯罪の動機を知り得たのだよ」
勝ち誇つたように藤枝は競争者林田英三の前に胸を突き出して云い切つたのである。
「うん、御同様だ。この僕にもその動機ははつきり判つている」
案外にも林田は少しもおどろかずに答えた。
藤枝は、これを見て何と思つたかいささかあわて気味にたずねた。
「では君もまたあの殺人の動機を知つているのか」
「うん、やはりそれを知つたのは最近のことだが……そうだ、ちようど君がどこかに旅行している時……
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