うかなり暗くて、庭ですら少々くらい位でした。ですから外から部屋の中を見るということはかなり困難だつたのです。そこで僕はえんりよなく窓の所にまいり、両手を窓のふちにかけてのび上りました。つまり、自分の顔だけ、窓から上に出して中を覗いてたわけなのです。すると、どうでしよう。その刹那、今まで中に立つていた人が、アツと叫んだかと思うと、ドタリと仰向けに仆れてしまつたのです。僕ははじめてその瞬間にそれが秋川のおじさんである、と知つたのでした。無論、このまま逃げ出すべきところではありません。僕はおじさんが急病にでもかかつたのだと思つて、すばやく窓から中にとび込みました。靴は短靴でしたのですぐぬぐことが出来たのです。仰向けに仆れているおじさんのかたわらにかけよつて介抱しようとしてその顔をのぞきこんだ時、僕は再び驚きました。僕は生れて今まであんな物凄いおそろしい顔を見たことがありません。介抱しようと思つてかけよつた僕は余りの恐ろしさに思わずそこに立ちすくんでしまつたのです。ところが、この時、僕は妙なことに気がつきました。それは、僕が立ちすくんだちようど目の前にあるはめこみになつている鏡が一、二寸前につ
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