つき》するよりはまだましではないか、というようなもつとものような又そうでもないような提言が盛んに出ている。しかし一番非難の的となつたのは藤枝と林田で、彼らの過去の行跡が偉大なれば偉大である程、今回の失敗は目立つわけなのだ。
 オフィスにつくと藤枝はもうやつて来ている。
 昨日よりは大分元気だが、いつもの元気さはまだない。
 いろいろな話をしている所へ、ひろ子が現れた。一通りの挨拶がすむと彼女はただちに用件を語りはじめた。
「先生、こんにち私は法律のことを少しうけたまわりにまいりましたのですが……」
「はあ、どうか、僕で判ることでしたら」
「はじめにうけたまわりたいのは、一体法律というものは、犯人が重大な犯罪を行い、しかも更に将来にも充分大犯罪を行うに違いない場合でも、直接の確たる証拠がなければ、どうすることも出来ないのでございましようか」
 ひろ子の言葉には冒し難い詰問の調子がきこえた。
 藤枝はさすがにちよつと驚いた表情を示した。

      5

 藤枝が、ひろ子の気持をちよつとはかりかねてか、何も答えずにいると、ひろ子は更にたたみかけるように質問を発した。
「あの、誣告罪《ぶこ
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