りがとうございます。もう大分よろしいので。けさからおきておりますの。午後になつたら、部屋から出て庭ぐらいあるいてもいいだろうということでございます。先生方にもお目にかかつてお礼申し上げると申しております」
「じや、ずつと御機嫌はいいんですな」
「ええ、そりやもう……」
「ねえ、ひろ子さん、突然ですが、今日どこかに出かけて見ませんか」
 さすがにひろ子はちよつとおどろいたらしい。
「これは藤枝がいうんですよ。私に是非あなた方に申してくれということだつたんです。ああいういろんないやな事があつた後だから、こうやつてうちにばかりひつこんでいらしつてはいけない。ますます気がめいる[#「めいる」に傍点]ばかりだから、少し陽気に外に出かけなすつた方がいいだろうというのですよ。無論あなたお一人でなく、出来るなら、さだ子さんも初江さんも御一緒にね」
「藤枝先生がそうおつしやつて下さつたのでございますの」
「ええ、だから出かけようじやありませんか。尤もこれが普通だとお母さんがなくなられ、弟さんも死なれた直ぐ後で、むやみに外に出歩くというのはいけないかも知れませんが……何分、藤枝が、あとの方のために出来るだ
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