きとつて語つたが、ともかく、この家の主人公の気分がなおつてくれたのは何よりである。
「あの、林田先生、只今妹からききましたんですが、伊達さんが警察から帰らないとか……」
「ええ、どうも警察では一応伊達君をも留置したらしいのです。さだ子さんからのお頼みもありますし、またあとでもう一度行つて見るつもりですが。ただ此の事は非常に秘密になつているのですからそのおつもりで……」
こうやつて四人は暫く応接間で語り合つていた。伊達がどうして戻つて来ないのだろう。彼がとめられたとは初耳である。
さだ子が、憂わしげに見えるのも無理はない。
ひろ子達の好意で、昼食は秋川家で食べる事になつた。下の日本座敷でひろ子、さだ子、初江、林田、私が一緒に卓をかこんだ。
主人は、まだベッドを離れられぬので、久や[#「や」に傍点]という女中が二階に食事を運んで行つたらしい。
食事中は初江が女中の代りに給仕をしてくれたが、よく見ると成程、昨日木沢氏が云つた通り、このお嬢さんが、一番、発達した健康そうな肉体をもつている。
夕方までいたけれども、別にこれと云つて、変つた事もないので、林田と私は六時頃、秋川邸を辞して
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