えて涙が一杯目にあふれて来た。
「親戚の人々もこの悪い叔父に楯をつく者は一人もないので、私全く一人ぼつちになつてしまいました。でも中学を出ると、進んで高等学校に入る気だつたので、一回その入学試験を受けましたがうまくまいりませんでした。これが丁度私の十九才の時であります。
「叔父は私に僅かばかりの資産を渡して、私が堕落するようにしむけました。今から思えば実に残念なわけですが、当時一方には自暴自棄になり、一方若いのに少しばかり自由に金が費えるようになつたものですから、私は日夜酒色に耽るようになつてしまいました。全く私は叔父のうまい計略に引つかかつてしまつたのでした。叔父は一方私に自由になる金をまかせて、酒色に溺らせるようにしておきながら他方多くの親戚達に、いかに私が愚か者であり、手におえぬ道楽者であるか、という事を宣伝してまわつたのです」

      3

「それまでは、表向き叔父に反抗しないでもかげではひそかに私に同情していてくれた人たちが親戚の中にも友人の中にも二、三あつたのですが、日毎にすさんでゆく私の有様を見、またそれを誇大して伝える叔父の宣伝の為に、皆私に愛想をつかして、だんだ
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