、うちに上つて結果を待つとしようじやないか」
と、木蔭を出て歩き出した。
「そうだ、僕も主人を慰問してやらなくちやいかん」
俺だつてお前のあとに残つて種を拾うようなケチなことはしないぞというつもりか林田も木立の間からふらふらと出かけ、母屋の方に池の側を通りながら例のガラス戸の入口の方に向つた。
「ねえ、小川、僕はまだこの家のたてかたを充分研究してないんだ。裏口にまわつて見ようじやないか」
藤枝が不意に云うので私は同意の旨を顔でしらせると、藤枝は池の方に行かず、ずつと東の方(やす子の死体のあつた地点すなわちBよりももつと東の側)に向つて歩きはじめた。
まるで林田と藤枝は子供の喧嘩をしているようなものだ。お前がまつすぐに行くなら、俺は廻るぞと[#「廻るぞと」は底本では「廻るぞど」]藤枝が林田に云わんばかりである。
林田は、どうぞご自由に、と云つた風で、すまして、ガラス戸の入口から家の中にはいつてしまつた。
死体のあつた茂みから母屋を見ると、実に立派な洋館が東西に横たわつているのが見える。左が玄関で右端が女中部屋である。母屋と女中達がいる所との間にはちよつとした廊下があつてその渡
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